○仙南地域広域行政事務組合低入札価格調査実施要綱
令和六年二月一日
告示第七号
(趣旨)
第一条 この要綱は、一般競争入札(以下「入札」という。)により仙南地域広域行政事務組合が発注する建設工事の請負契約を締結しようとする場合において、低入札価格調査を実施することに関し、必要な事項を定めるものとする。
一 低入札価格調査 地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百六十七条の十第一項(第百六十七条の十三において準用する場合も含む。)又は第百六十七条の十の二第二項の規定により、予定価格(消費税及び地方消費税相当額を除く。以下同じ。)の制限の範囲で申込みをした者の当該申込みにかかる価格によっては、その者により請負契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認めるときに行う調査をいう。
二 調査基準価格 低入札価格調査を行う場合の基準となる価格をいう。
三 低価格入札 調査基準価格を下回る入札をいう。
四 低価格入札者 低価格入札を行った者をいう。
五 失格基準価格 低価格入札があった場合において、契約の内容に適合した履行がされないこととなる蓋然性が高いと判断する基準となる価格をいう。
(対象工事)
第三条 低入札価格調査の対象となる工事(以下「対象工事」という。)は、入札に付した建設工事のうち、予定価格が三千万円以上のものとする。
(調査基準価格)
第四条 調査基準価格は、対象工事の予定価格の算出の基礎となった次に掲げる額の合計額とする。ただし、当該合計額が予定価格に十分の九・二を乗じて得た額を超える場合にあっては、十分の九・二を乗じて得た額とし、予定価格に十分の七・五を乗じて得た額に満たない場合にあっては、十分の七・五を乗じて得た額とする。
一 設計額の直接工事費の額に十分の九・七を乗じて得た額
二 設計額の共通仮設費の額に十分の九を乗じて得た額
三 設計額の現場管理費の額に十分の九を乗じて得た額
四 設計額の一般管理費等の額に十分の六・八を乗じて得た額
2 前項の規定にかかわらず理事会が特に必要があると認めるときは、工事の予定価格に十分の七・五を乗じて得た額から十分の九・二を乗じて得た額までの範囲内で、調査基準価格を適宜定めることができる。
3 前二項の規定により算出された調査基準価格に一円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする。
(失格基準価格)
第五条 失格基準価格は、対象工事の予定価格の積算の基礎となった次に掲げる額の合計額とし、当該合計額に一円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする。
一 設計額の直接工事費の額に十分の九を乗じて得た額
二 設計額の共通仮設費の額に十分の八・五を乗じて得た額
三 設計額の現場管理費の額に十分の八・五を乗じて得た額
四 設計額の一般管理費等の額に十分の五を乗じて得た額
2 失格基準価格を下回る入札を行った者は、低入札価格調査を実施せずに失格とする。
(調査基準価格等の記載)
第六条 調査基準価格及び失格基準価格は、予定価格調書に記載するものとする。
(入札参加者への周知)
第七条 理事会は、対象工事に係る入札を公告し、及び入札を執行するときは、必要に応じて次の事項を周知するものとする。
一 調査基準価格及び失格基準価格が設定されていること。
二 低価格入札が行われたときは、落札の決定を留保し、調査の上、後日落札者を決定すること。
三 低価格入札者は、最低価格の入札者であっても必ずしも落札者にならない場合があること。
四 低価格入札者は、低入札価格調査に必要な書類の提出及び事後の事情聴取等の調査に応じなければならないこと。この場合において、不誠実な行為(虚偽記載を含む。)があったときは、建設工事入札参加業者指名停止要領(平成六年訓令甲第二号)に基づく指名停止を受ける場合があること。
五 低入札価格調査に関する書類及び判断結果は、原則として公開又は公表されること。
(入札の執行)
第八条 入札執行者は、低価格入札が行われたときは、落札の決定を留保するものとし、調査の上、後日落札者を決定する旨を告げて、入札を終了する。この場合において、設計額及び予定価格は、契約の相手方が決定するまで公表しないものとする。
2 前項の場合において、低価格入札となる入札価格のうち、当該入札価格が失格基準価格を下回るときは、当該入札者を失格とし、落札者としないものとする。この場合において、入札執行者は、当該入札をした者に対し、その旨を告げるものとする。
3 前項の場合において、入札執行者は、全ての入札者の入札価格が調査基準価格を下回り、かつ、失格基準価格を下回ったときは、当該入札を中止するものとし、全ての入札者に対してその旨を告げるものとする。
(調査委員会)
第九条 前条第一項の規定により落札の決定が保留となったときは、当該入札によって契約の内容に適合した履行がされないおそれがあるか否かについて審査するため、仙南地域広域行政事務組合低入札価格調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置く。
2 調査委員会の組織は、仙南地域広域行政事務組合契約業者等審査委員会規程(平成二十三年訓令甲第二号。以下「審査会規程」という。)により組織される委員会の委員長、副委員長及び委員をもってこれに充てる。
3 調査委員会の会議の運営は、審査会規程第四条の規定を準用して行うものとし、事務局は、企画財政課に置く。
(低入札価格調査の実施)
第十条 調査委員会の委員長は、低価格入札があったときは、速やかに低入札価格調査を実施するものとする。
2 前項に規定する調査は、次に掲げる事項について、当該低価格入札者から事情聴取、当該契約に係る積算担当者への照会その他の方法により行うものとする。
一 積算金額の内訳及び入札価格決定の理由
二 当該工事付近及び関連する工事における手持ち工事の状況
三 当該工事箇所と入札者の事務所、倉庫等の関連(地理的条件)
四 手持ち資材の状況
五 資材購入先及び購入先と入札者との関係
六 手持ち機械数の状況
七 労働者の確保計画
八 過去二年間に施工した公共工事名及び発注者
九 その他必要な事項
(委員会の審議)
第十一条 調査委員会は、低価格入札者の当該入札価格によっては当該契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあるかどうか、又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すおそれがあって著しく不適当であるかどうかを審議し、当該低価格入札者と契約することの適否を決定する。
(落札者の決定等)
第十二条 理事会は、前条の規定により調査委員会が低価格入札者と請負契約を締結することが適当である旨を決定したときは、当該低価格入札者に対してその旨を通知するとともに、その他の入札者に対し落札金額及び落札者を通知するものとする。
二 他に低価格入札者がいない場合 前条の規定により不適当とされたものを除く入札者であって、予定価格から調査基準価格までの範囲内の価格で入札した者のうち、最低の価格で入札した者を落札者とする。
(監督体制の強化等)
第十三条 工事担当課長等は、低入札価格調査の対象者を落札者として請負契約を締結したときは、当該工事について適正な施工管理が図られるよう十分な指導監督に努めるものとする。
(その他)
第十四条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、理事会が別に定める。
附則
この告示は、令和六年四月一日から施行する。